1. 正しい方を選びなさい。
(1)九段目の主役・加古川本蔵は、主君への忠義を貫くために死んだ。
① 〇 ② ×
(2)封建社会(ほうけんしゃかい)の女性には発言権(はつげんけん)はなく、この劇でも女性は男性の命じる通りに行動する。
① 〇 ② ×
(3)女性の登場人物は全員生き残る。
① 〇 ② ×
(4)お軽と早野勘平(はやのかんぺい)の恋は、実際の赤穂事件で起こったエピソードに基づくものだ。
① 〇 ② ×
(5)お軽は慎重(しんちょう)に考えて行動する女性だった。
① 〇 ② ×
2. 当てはまるものを選びなさい。
(6)全ての悲劇(ひげき)の直接の責任者は誰か。
- 全ての悲劇の直接の責任者は、塩冶判官の妻だと知りながら顔世御前に恋文を渡した高師直(こうのもろなお)だ。
- 全ての悲劇の直接の責任者は、高師直からの恋文に断りの手紙を書いた顔世御前(かおよごぜん)だ。
- 全ての悲劇の直接の責任者は、大切な儀式(ぎしき)の前に塩冶判官(えんやはんがん)に顔世御前の手紙を届けたお軽だ。
- 全ての悲劇の直接の責任者は、高師直の侮辱(ぶじょく)に耐(た)え切れず御殿(ごてん)で刀を抜いてしまった塩冶判官だ。
(7)この物語の主要なテーマについて、あてはまるものはどれか。
- この物語では、死ぬことを恐れず主君に忠義を尽(つ)くす武士の姿に焦点が当てられ、早野勘平(はやのかんぺい)のあだ討ちの邪魔(じゃま)をしたお軽を非難している。
- この物語では、主君に忠義を尽(つ)くす武士の死が描かれる一方で、愛に生きた女性の物語も重要なテーマになっている。
- この物語では、忠義の武士としての大星由良之助(おおぼしゆらのすけ)が主役であり、加古川本蔵(かこがわほんぞう)は憎(にく)むべき敵(てき)として登場する。
- この物語は庶民(しょみん)の立場からあだ討ちを描いたもので、町人を主人公とする十段目が最も重要な段となっている。
(8)本蔵が死ぬ決心をした理由は何か。
- 高師直(こうのもろなお)に賄賂(わいろ)を贈(おく)ったことを主君の桃井若狭之助(もものいわかさのすけ)に非難(ひなん)されたため。
- 塩冶判官(えんやはんがん)が師直に切りつけるのを止めて師直の命を助けてしまったことで自分を責め続け、耐(た)えられなくなったため。
- 塩冶判官切腹の責任を取るよう、大星由良之助(おおぼしゆらのすけ)に迫(せま)られたため。
- 自分が生きている限り娘の小浪(こなみ)が大星力弥(おおぼしりきや)と結婚できる望みはないと考えたため。
(9)『仮名手本忠臣蔵』の人気の理由について、正しいものはどれか。
- 歌舞伎の観客(かんきゃく)は武士が多かったため、あだ討(う)ちをテーマとし、主君への忠義を貫(つらぬ)く武士の姿に焦点を当てた『仮名手本忠臣蔵』は大ヒットした。
- 歌舞伎の観客のほとんどは武士だったが、平和な社会に生きていた当時(とうじ)の武士にとって最も大切なのは家族の幸せであり、家族に対する愛を最大のテーマとする『仮名手本忠臣蔵』は人気を集めた。
- 歌舞伎の観客の大半(たいはん)を占(し)めていた町人(ちょうにん)の間でも赤穂事件(あこうじけん)は有名で、この事件で実際に活躍(かつやく)した浪士(ろうし)の苦労を描く『仮名手本忠臣蔵』は大ヒットした。
- 『仮名手本忠臣蔵』では、愛に生きるお軽や、忠義よりも父親としての深い愛を選ぶ加古川本蔵のエピソードが重要な位置を占める。このことが、歌舞伎の観客の大半を占(し)めていた町人の間で人気を集めた理由だったと考えられる。
(10)お軽についての見方は、学者、評論家(ひょうろんか)、作家によって異なる。本文中で描かれているお軽像に最もあてはまるのはどれか。
- お軽はあだ討ちには関心がなく、彼女の行動は勘平に対する深い愛に基づくものである。
- お軽は自分の意思(いし)とは関係なくあだ討(う)ちに巻き込まれた犠牲者(ぎせいしゃ)であり、夫が死んだ後悲しみに暮(く)れながら毎日を送っている。
- お軽は武士に劣(おと)らず強い忠義の心を持つ女性で、勘平(かんぺい)のあだ討ち参加を実現するために遊郭(ゆうかく)に身を売る決心さえした。
- お軽は、夫を死なせてしまった原因が自分の行動にあると考えて自分を責め、自分も死のうとするような、責任感の強い女性である。